こんにちは!
ペット栄養管理士のChieriです。
みなさんの愛猫は避妊・去勢手術をしますか?
猫をお迎えした飼い主さんにとって、最初の試練の一つが愛猫の避妊・去勢手術かもしれません。
手術のこと、キャットフードのこと、次々と疑問と不安がわいてきます。
- 健康な愛猫にわざわざ手術をするのはかわいそう
- 避妊・去勢手術は本当に必要なの?
- 避妊・去勢後用キャットフードって必要?
- 避妊・去勢後用フードはいつからいつまで与えるのが正解?
- 成猫用と避妊・去勢後用フードの違いってなに?
多くのキャトフードメーカーが「避妊・去勢後用フード」と表示して販売していますが、実は避妊・去勢後用フードに必ず切り替える必要はないのです。
なぜなら「避妊・去勢後用フード」とは、肥満防止・解消のためのフードなので、避妊・去勢手術後に太らない猫には必要がないものだからです。
結論としては、避妊・去勢手術はした方がいいけど、避妊去勢後用フードは必須ではないということだよ
この記事では愛猫の「避妊・去勢手術」と「避妊・去勢後用フード」についてペット栄養管理士の筆者が詳しく解説していきます。
この記事を読めば避妊・去勢手術に関して、愛猫に必要なことと不要なことを自分で選択できるようになります。
ぜひ愛猫のために最後まで読んでみてください!
\ 全年齢対応フード!避妊・去勢後でもO.K/
猫が避妊・去勢手術をした方がよい理由
猫をお迎えして悩むことは、「まだ小さい健康な子猫にわざわざ手術をして危険はないの?」とか「本当に必要なの?」などですよね?
結論:猫の避妊・去勢手術はやっておいた方がメリットの方が多いです
そこでこの章では
・家猫の避妊・去勢手術の役割
・若いうちに避妊・去勢手術をするメリット・デメリット
について解説するよ
家猫の避妊・去勢手術の役割
家猫の避妊去勢手術の役割は、大きく分けて2つあるよ
・病気予防
・発情期特有の行動を防ぐ
避妊去勢手術をすると主に以下の病気になる確率を減らすことができると言われています。
手術で予防できるかもしれない病気
これらの病気は若い時にはほぼ無縁で、年齢を重ねたときに発症することが多いのですが、避妊・去勢手術をしていないと発症の確率が高くなるといわれています。
例えばメスの乳腺腫瘍はかかってしまうと約80%以上が悪性なので、是非防いであげたいですよね。
発情期特有の行動を防ぐ
メスもマーキング行動をする子もいるので安心できません。
オスは去勢手術によってケンカをしなくなり、性格が落ち着きます。
多頭飼いや外猫でも去勢前のオス猫はケンカが多いのですが、去勢手術をすると落ち着いてオス同士兄弟のように仲良くなる子が多いそうです。
避妊・去勢手術をすることで、飼い主さんの苦労が軽減するだけでなく、愛猫を発情期のストレスから解放することができるよ
家猫の場合発情期になってもそれを発散できる場がありません。
病気、問題行動の予防はもちろん、愛猫のストレスを軽減する意味でも避妊・去勢手術はメリットが大きいと思います。
猫が若いときに避妊・去勢手術をするメリット・デメリット
避妊・去勢手術を12か月未満で行うと病気の発症確率を格段に下げることができます。
また、麻酔のリスクも若い猫の方が少なくて済みます(※若くてもリスクが0(ゼロ)ではない)。
発情期は生後6か月ごろが目安で、一度発情期を経験してしまうと、避妊・去勢手術後もマーキングなどの行動が残ってしまうこともあるので、できれば6か月~10か月ぐらにするのがオススメ
猫の避妊・去勢手術で一番のデメリットをあげるなら、ホルモンバランスが乱れて太りやすくなることです。
筆者は愛猫が太ることに関しては、フードの調節などでできることが多いと思ったので、病気の予防を優先して避妊・去勢手術を受けることを選択しました。
とはいえ手術に絶対はないですし、健康で小さな子猫にメスを入れることは飼い主としてつらく、勇気が必要なことです。
言葉で説明ができない愛猫に、手術前の絶食をさせることすらつらい体験。
不安が少しでもあったら、獣医師に質問をして、納得したら決めるといいと思います。
信頼のできる獣医師なら丁寧に説明してくれるはずです。
避妊・去勢後用フードの必要性
結論:「避妊・去勢後用」フードは術後の肥満に対応したものなので、必須ではない
なぜ必須ではないのか?この章では以下の3点を説明するよ
・術後の肥満の原因
・「避妊・去勢後用」フードが必須でない理由
・肥満予防に飼い主ができること
>>猫の肥満にダイエットフードはNG⁈ 3つのダイエット法~カロリー計算法とフード変更の仕方を解説
猫が避妊・去勢手術後に肥満になる原因は2つ
術後肥満の原因は2つだよ
①消費エネルギーの減少
②食欲アップ
肥満原因① 消費エネルギーが30%減少
消費エネルギーが減少する原因は「ホルモンバランスの変化」と「運動量の減少」です。
オスは去勢手術によって、男性ホルモンである「テストステロン」の分泌が減少します。
テストステロンの減少によってメスを探したり、狩りをする本能が弱まり、運動量が減少することにより、消費エネルギーが減少します。
また避妊・去勢手術でホルモンバランスが変化して、安静時の代謝量が20~25%減少するので太りやすくなります.。
特に雄の方が肥満になりやすい傾向だから注意が必要だよ
肥満原因② 食欲が20~25%増す
食欲が増す原因も「ホルモンバランスの変化」です。
メスは子宮・卵巣摘出によって、女性ホルモンである「エストロゲン」が減少します。
エストロゲンは食欲を抑える働きがあるため、エストロゲンの分泌が減少することで、食欲が増してしまうのです。
食欲が増加して肥満になりそうなときには、頭と体を使って少しずつ食べられるグッズもおすすめだよ
「避妊・去勢後用」フードが必須ではない理由
「避妊・去勢後用」フードは一言でいうと、肥満を防止するためのものです。
避妊・去勢後用フードが必須ではない理由は以下の通りだよ!
理由を知れば、必要性の判断もできるよね
太らなければカロリーを抑える必要がないため
運動好きや小食など太るかどうかには個体差がある
フードの種類を変えると食べなくなることがあるため
まず最優先は「食べる」ことを大切にする
フードを変更すると体質に合わないことがあるため
軟便・下痢・嘔吐の回数が多くなるなど、健康を害するフードはNG
体に合ったフードにする
避妊・去勢手術をしたから「避妊・去勢後用」フードにすぐ変えなきゃ!と考える必要はありません。
まずは手術のストレスや体調変化を緩和してあげることが大切。
「美味く食べる」ことを最優先し、様子を良く見て必要に応じて考えてあげましょう。
肥満予防のために飼い主ができること
避妊・去勢手術をすることで防げる病気がありますが、逆に手術をしたことで肥満から起こる病気のリスクは高まります。
例えば糖尿病・脂質異常症・高血圧・心臓病・関節炎・肝リピトーシスなどです。
肥満と肥満による病気を防止するために私たちができることはこんなことだよ↓↓↓
・キャットフードの見直し
・キャットフードの給与量の最適化
・運動(遊び)をさせる
肥満と肥満による病気の予防は他の病気にくらべて私たちができることが多いです。
「避妊・去勢後用」フードに必ず変える必要はないですが、避妊・去勢手術の後は愛猫のキャットフードについて見直すよい機会になりますね。
\全年齢対応! 避妊・去勢後でもO.K /
避妊・去勢後用フードはいつからいつまで与えればいいの?
筆者が愛猫の避妊手術をしたときに疑問に思ったことが「避妊去勢後用」フードって必要なの?「避妊去勢後」っていつまでのこと?てことでした。
「だって手術後は一生避妊・去勢後じゃん!」て思うのは筆者だけでしょうか?
それに1歳前の子猫の場合、子猫用とどっちが優先?ってことも。
結論:①避妊去勢手術後1か月ぐらいで急激に太ってしまって、②今までのフードを減量するだけでは対応できなくなったときから、7歳くらいまでのことです。
※太らなければ1歳頃まで子猫用フードでOK
この「7歳くらいまで」というのは普通の「成猫用フード」と同じ考え方で、7歳以降のシニア期には「シニア用フード」を作っているメーカーも多いためです。
ただしこの「シニア用」も必要かどうかは個体差があります。
7歳以降も健康で走り回っている猫ちゃんに「シニア用」フードを与える必要はありません。
子猫は成長のためにたくさんの栄養を必要とするから、急激に太らなければ、1歳ごろまでは栄養豊富な「子猫用フード」で大丈夫!
当サイトでは、こちらの記事で全年齢対応の【おすすめキャットフード】も紹介しています↓↓↓
とはいえ「急激に太るってどれくらいのこと?」とか「どうやってフードを切り替えればいいの?」と思いますよね。
次の「避妊・去勢後用キャットフード見直しの手順」で詳しく説明しますね!
避妊・去勢後用キャットフード見直しの手順
避妊・去勢後にキャットフードを見直すときの手順を説明するよ
【3つのポイント】
・フード見直しの目安と時期
・フード見直しの実際の手順
・フード変更するときの注意点
ここでの「フード見直し」とは、「避妊・去勢後用」に変更する場合の流れを説明しています。
あくまで「避妊・去勢後用」フードは必須ではないのですが、これから説明する手順で考えていくと、みなさんの愛猫にフード変更が必要か不要かの判断がしやすくなります。
「避妊・去勢後用」フードでなくても、フードを見直すよい機会です。
\ 全年齢対応!避妊去勢後でもO.K! /
フード見直しの目安と時期
フード見直しの目安と時期は、術後1か月で体重が急激に増加している場合
避妊・去勢手術をしたからといって、すぐに「避妊・去勢後用」フードに切り替えるる必要はありません。
まず術後はゆっくり体調の回復とストレスを減らしてあげることが大切。
1か月ほど愛猫の様子を観察してください。
チェックポイント
- 体重は急激に増加していないか?
- 体型は変わっていないか?
- 運動量が減っていないか?
とはいえ「体重の急激な変化」とか「体型の変化」ってどれくらいのこと?って思いますよね。解説しますね。
猫の体は人間より小さいため、数百グラムの増減が大きな変化になるので注意が必要です。
ぺフードメーカーの日本ヒルズコルゲートでは猫の体重1㎏は人間の体重に換算すると、15kgだといっています。
そう考えると猫の100gの増減が、健康に大きな影響をもたらすことがわかりますよね。
具体的な体重と体型変化の判断方法は、以下の日本ヒルズコルゲート(株)の「ボディコンディションスコア(BCS)」を参考に解説します。
ボディコンディションスコア(BCS)
ペットの体の肋骨・腰部・腹部を5段階または9段階で評価し、視覚と触覚で体型を判断するための基準
肥満の判断には多くの場合BCSが使用される
BCS5段階評価の場合「3」が理想体重※です。「3/5」と表します。
※愛猫の理想体重の目安は、BCSの理想体型のときの体重です。
他には猫種ごとの平均的体重を参考にしたり、雑種ではかかりつけの獣医師に聞いてみると、骨格などからだいたいにの理想体重を教えてくれますよ。
体重過剰(4/5)=理想体重+7%なので、避妊・去勢手術後1か月くらいで、7%以上体重増加したらフードの見直しを考えよう
例えば愛猫が3㎏→3.2㎏ほどに増加したら見直しを考えましょう。
猫の体重200gは人間に換算すると3㎏ほどです。
3㎏太ると人間も見た目で変化がわかるくらいですよね。猫の体型も見た目でわかります。
BCS「4/5」や「5/5」のように見た目や、触った感じが変化したときもフードの見直しを考えます。
ただし!!
生後12か月以内で避妊・去勢手術をした子猫の場合は注意が必要です!
生後12か月までは成長期なので、体重増加が成長によるものなのか?避妊・去勢手術をしたからなのか?の判断が難しい時期
しかも成長期なので栄養を摂ることが一番大切です。
生後12ヶ月までの成長期の場合は、無理に「避妊・去勢後用」フードに切り替えず、栄養豊富な子猫用フードの量を1~2割程度減らして様子をみよう
フード見直しの実際の手順
フードの見直しは、「フードの見直しの目安と時期」を参考に以下の手順でやってみてください。
急激に太って減量する場合は、猫の1㎏は人間の体重に換算すると15kgにもなることを念頭に、急激な減量にならないよに注意しましょう。
目安としては1週間で体重の1~3%の体重減少が理想的です。
- フードを変更せずに同じ量で与える
- フードを変更せずに量で調節する
- 「避妊・去勢後用」フードに変更する
術後は傷の回復とストレスを取り除くために、慣れた今までのフードを術前と同じ量で与えてみましょう。
避妊・去勢手術は猫にとっても飼い主にとっても、ストレスが大きいよ
まずは帰ってきたら安心する環境を用意してあげてね
特に12ヶ月未満の子猫の場合は、栄養豊富な子猫用フードがいいです。
術後1か月ほどで急激に太ってしまった場合は、いつものフードの量を1~2割減らして与えてください。
ここで注意することは減らし過ぎないこと!
総合栄養食は一日の栄養素が計算されています。量を減らし過ぎるとその必要栄養素が摂れずに栄養不足になってしまいます。
特に子猫の場合は成長期で栄養がたくさん必要な時期。
急激に太った場合には一度獣医師に相談してみましょう。
いつものフードでを減らしたら、量が足りずにいつもお腹を空かせているような場合には「避妊・去勢後用」フードに変更してみよう
「避妊・去勢後用」フードは、食物繊維で量をカサ増しして作られていることが多いため、満足感があります。
もちろん総合栄養食であれば、栄養素も過不足ありません。
量を食べたい猫ちゃんにはおすすめです。
フード変更するときの注意点
今までのフードから、変更する際には注意したいポイントが2つあります。
- フードのメーカーを変更する時はカロリーの比較をする
- 今までの摂取カロリーを基準にフードを与える量を考える
同じメーカーで変更する場合は当然「避妊・去勢後用」フードのほうがカロリーが控えられていますが、他社メーカーに変更する場合には、カロリーを必ずチェックすることが大切。
例えば……
今まで食べていたフード(メーカーA):343kcl/100g
避妊・去勢後用フード(メーカーB):350kcl/100g
上の例だと、今までのメーカーAでは太ってしまうから、「避妊・去勢後用」メーカーBに変更したのにカロリーが高く、もっと量を減らして与えなければならなくなってしまいます。
「避妊・去勢後用」って書いてあるからって、油断して与えて、今までより太っちゃった!なんてならないようにしないとね
また、フードパッケージの給与量は体重からの平均値でメーカー独自に算出されています。
給与量通りに与えると、愛猫には多すぎたり少なかったりする場合もあります。
一度愛猫の理想体重で計算して、一日の必要カロリーを知っておきましょう!
そのうえで体重・体型変化を観察して愛猫にベストな摂取カロリーをつかんでいくといいです。
ちなみに筆者の愛猫は小食ぎみなので、少量で栄養が摂れるカロリーが高めのフードを選択することが多いです。
1日あたりのエネルギー要求量
安静時エネルギー要求量(RER)×係数で算出されます。
【安静時エネルギー要求量(RER)】
【算出方法①】30×体重㎏+70
【算出方法②】(体重㎏の0.75乗)×70
②の方法は以下の通りに電卓をたたくと簡単に算出可能です↓↓↓
電卓➡体重×体重×体重=√ √ ×70=
↑↑↑ここでのポイントは「理想体重」で計算すること
愛猫の現在の体重ではないよ
【1日あたりのエネルギー要求量(DER)】
安静時エネルギー要求量(RER)×係数※
※係数:ライフステージによってきまっている係数
【ライフステージごとの係数】
ライフステージ | 係数 |
---|---|
標準体型の成猫(未避妊・未去勢) | 1.4 |
標準体型の成猫(避妊・去勢済) | 1.2 |
活動的な猫 | 1.6 |
肥満気味の猫 | 1.0 |
ダイエット中の猫 | 0.8 |
増量中の猫 | 1.2~1.4 |
高齢猫 | 1.1 |
妊娠中 | 2.0 |
授乳中(自由採餌) | 2.0~6.0 (子猫の数によっても異なる) |
4ヶ月未満 | 3.0 |
4~6ヶ月 | 2.5 |
7~12ヶ月 | 2.0 |
具体的には…
理想体重3㎏の子猫の場合
【安静時エネルギー要求量(RER)】
(体重3㎏の0.75乗)×70
電卓➡3×3×3=√ √ ×70=159.6kcal
【1日あたりのエネルギー要求量(DER)】
159.6kal×2.0=319.2kcal
詳しくはこちらの記事でも解説しています↓↓↓
>>猫の肥満にダイエットフードはNG⁈ 3つのダイエット法~カロリー計算法とフード変更の仕方を解説
避妊・去勢後のフードの選び方とおすすめフード
避妊・去勢後の肥満と肥満からの病気に対して私たちができることは、「フードの見直し」「フード量の調整」「運動(遊び)させること」でした。
一番理想的なのは普通のフード量のままよく運動することですが、完全室内飼いで家族が留守がちであったりするとなかなか難しいですよね。
そこで今回は
・フードを変更する場合の選び方
・猫の肥満対策で最大の注意点
・おすすめ避妊・去勢後用フードと成猫用フードとの違い
を解説していくよ
筆者は良質で愛猫の体に合うフードであれば、「避妊・去勢後用」フードにこだわらなくてもよいと考えていますが、ここでは避妊・去勢後用フードをいくつか紹介しますね。
\ 全年齢対応!避妊・去勢後でもOK /
避妊・去勢後フードを変更する場合の選び方
避妊・去勢手術後に愛猫が急激に体重増加した場合、または肥満防止のためにフードを見直す場合に気を付けたいポイントは4つ。
避妊去勢後フード選び4つのポイント
- 総合栄養食(これ大前提!)
- 高タンパク・低糖質・低脂肪
- 低カロリー
- 高繊維
※見直し手順は避妊去勢後用キャットフード見直しの手順を参考に変更してくださいね。
健康的な体型・体重を維持するためには、筋肉量を維持しながら体脂肪を減らすことがポイントだよ
そのため高タンパク質であること。
タンパク質、炭水化物、脂質の三大栄誉素のうち、単位重量あたりのエネルギー含有率が2倍も高い脂肪を抑えることも重要。
それとともに最近の研究では炭水化物(糖質)の過剰摂取も肥満の原因として注目されているため、筆者は肉食動物である猫が消化できるとされている40%以下のフードをオススメしています。
糖質量はフードのパッケージに表示義務がありませんが、簡単な計算でだいたいの糖質量を求めることができます。
糖質量の求め方
糖質量=100%ータンパク質ー脂質ー食物繊維ー灰分※ー水分
※灰分:ミネラル類
三大栄養素のバランスに加えて、高繊維であることも効果的。
食物繊維はカサ増しをして同量のフードでも満足感を与えたり、胃腸の調子も整える働きがあります。
水溶性・不溶性食物繊維両方をバランスよく含むものがオススメ。
ただしフードパッケージ記載の食物繊維は不溶性食物繊維の量なので注意
現代の技術では可溶性食物繊維の量を正確に計測することが難しいため、原材料表示で確認する必要があります。
猫の肥満対策で最大の注意点
猫の肥満対策、肥満解消で一番やってはいけないことは、「絶食」です。
猫にとって絶食は直截的に命の危険をともないます。
筋肉が急激に減少し、肝臓に脂肪が蓄積する肝リピドーシスを引き起こしてしまうよ!
タンパク質の損失率が高く、さまざまな組織にダメージも大きいうえ、体重のリバウンドも大きいので、医療上の特別な理由がないかぎり避けなければなりません。
おすすめ避妊・去勢後用フードと成猫用フードとの違い
各メーカーからたくさんの「避妊・去勢後用」フードが販売されていますが、「避妊去勢後フード選び4つのポイント」の条件に合うフードをピックアップしています。
各フードの( )カッコ内は同メーカーの成猫用と比較したときの違いだよ
【ニュートロナチュラルチョイス避妊去勢 白身魚】
カロリー | 370kcal/100g(1.3%OFF)※ |
タンパク質 | 33% |
脂質 | 14%(12%OFF)※ |
灰分 | 10.5% |
繊維 | 7%(3%UP)※ |
糖質 | 25.5% |
主原料 | 白身魚(すり身)、チキンミール、粗挽き米、エンドウタンパク、玄米…… |
※「ニュートロナチュラルチョイス室内猫用アダルト サーモン」との比較
成猫用と比べると、脂質がカットされ、繊維が多く配合
糖質も25.5%と低糖質なのも嬉しいポイント
【ロイヤルカナン ステアライズド 避妊・去勢 成猫用】
カロリー | 363kcal/100g(3%OFF)※ |
タンパク質 | 35%以上(40%UP)※ |
脂質 | 10%以上(9%OFF)※ |
灰分 | – |
繊維 | 14.5%(26%UP)※ |
糖質 | – |
主原料 | 肉類(鶏、七面鳥)、コーン、超高消化性植物性タンパク(消化率90%以上)、植物性繊維…… |
※「ロイヤルカナン室内で生活する成猫用」との比較
室内で生活する成猫用と比べると、タンパク質・食物繊維が大きくアップ
脂質も抑えられている
適切な食物繊維と脂肪の含有量によって、満腹感をサポートして適正な体重の維持に働きます。
糖質については、灰分の保証成分値がないので正確には算出できませんが、タンパク質、脂質、食物繊維、水分を100%から引くと34%なので、猫が消化できる40%よりは低いということで、糖質量の条件もクリア。
第一主原料は動物性タンパク質の鶏、七面鳥。
成猫用は第一主原料が穀物(小麦、米、超高消化性小麦タンパク)なので、タンパク質も高いこちらの商品の方が筆者は好きです。
このステアライズド 避妊・去勢シリーズは1歳以上用、7歳以上(中高齢猫)用、12歳以上(高齢猫用)に分かれているので注意してね
【ピュリナワン キャット避妊・去勢後から全ての年齢に チキン 】
カロリー | 340kcal/100g(3%OFF)※ |
タンパク質 | 37%以上(9%UP)※ |
脂質 | 9%以上(25%OFF)※ |
灰分 | 8.5%以下 |
繊維 | 6%以下 |
糖質 | 27.5% |
主原料 | チキン、コーングルテン、チキンミール、小麦、食物繊維(ビートパルプ、ライスファイバー、可溶性繊維、セルロース)…… |
※「ピュリナワン室内飼い猫用」との比較
室内飼い猫用と比べて、タンパク質が多く、脂質がかなり抑えられている
今回紹介したフードの中で一番カロリーが低い
糖質も27.5%と低糖質
どれも手に入りやすいフードなので、術後急激に太ってしまった愛猫に考えてみるのも良いと思います。
「フード変更するときの注意点」でも説明したように、フードのメーカーを変更する時には、変更前のフードよりカロリーが増えないように注意してくださいね。
猫の体が本来求める高タンパク・低糖質の良質フードで、全年齢対象のフードもたくさんあるよ!
「価格別おすすめキャットフード」の記事で紹介しているのでこちらも参考にしてね!
避妊去勢後用キャットフードの必要性とおすすめフードまとめ
避妊去勢後フードのおさらい
- 猫が避妊・去勢手術をした方がよい理由
・病気の予防
・発情期特有の行動の防止 - 避妊・去勢後用フードは必須ではない
以下の場合に変更を考える
・フードの減量では対応できない
・フードを変更しても食べてくれる
・フードを変更しても体調が崩れない - 避妊・去勢後用フードはいつからいつまで与えればいいの?
避妊・去勢術後1か月ごろ~7歳ごろまで - キャットフード見直しの手順
①今までのフードをいつもの量で
⇩
②今までのフードを1~2割減量
⇩
③「避妊・去勢後用」フードへ変更
※他メーカーに変更する際はカロリーに注意 - 「避妊・去勢後用」フードの選び方
・高タンパク・低糖質・低脂肪
・低カロリー
・高繊維 - おすすめフード
・ニュートロナチュラルチョイス避妊去勢 白身魚
・ロイヤルカナン ステアライズド 避妊・去勢 成猫用
・ピュリナワン キャット避妊・去勢後から全ての年齢に チキン
みなさんの愛猫のかずだけ個性と個体差と好みがあります。
一番大切なことは愛猫が「美味しく食べてくれる」ことです。
みなさんの愛猫の健康状態と好みを良く観察して、必要であれば無理のないように見直してみましょう。
この記事を読んで疑問や質問があればコメント欄からメッセージをお願いします。
おすすめのキャットフードを知りたい方、いままで何となくフードを選んで与えていたから、この機会に良質なキャットフードを知りたい!
という方はこちらをみてね↓↓↓
キャットフードについて色々知りたい方はこちら↓↓↓
>>キャットフード選びに必須!【種類とプレミアムフード】を初心者に分かりやすく解説
>>キャットフード(総合栄養食)の選び方5ステップを知ろう!【健康でずっと一緒のためにできること】
>>キャットフードの「ミール」ってなに?危険性とフード選びの注意点を初心者に分かりやすく解説
>>【キャットフード冷蔵庫保存はNG!】おすすめ保存方法とキャットフードを紹介
愛猫の健康で不安があるかたはこちら↓↓↓
>>【猫の食欲がない】放っておくと危険!受診の目安・原因と家庭での対処法を解説
>>猫の肥満にダイエットフードはNG⁈ 3つのダイエット法~カロリー計算法とフード変更の仕方を解説
>>猫の軟便・下痢キャットフードが原因かも‼飼い主のNG行動と改善策・おすすめキャットフード6選
>>【猫の便秘】キャットフードの選び方とおすすめフード6選を紹介!原因と対処法も詳しく解説
>>【猫が食べると死ぬもの・危険なもの56選】食品・植物・家の中に誤飲・誤食の原因が!猫初心者必見!
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました!
コメント