こんにちは!
ペット栄養管理士のChieriです。
猫初心者の方はこんなお悩みをもっていませんか?
- 猫をお迎えしたけど、どんなキャットフードを選べばいいのか分からない
- ペットショップに行ったけど、たくさんんのキャットフードがあり過ぎてどれを買っていいのか分からなかった
- 愛猫に健康でいて欲しいけど何を基準に選べばいいのか分からない
実はこの疑問、筆者が猫をお迎えしたばかりの時に悩んだことです。
かわいい愛猫に「いつまでも健康で長生きして欲しい」「一日でも長く一緒にいて欲しい」と思いました。
家猫の平均寿命は14.7歳(2021年アニコム家庭どうぶつ白書)といわれていて、年々寿命が延びています。
完全室内飼いによって、事故や感染症で亡くなるケースが減っている反面、生活習慣病や下部尿路疾患、腎臓病、がんでなくなる猫が増加しています。
筆者は飼い主である私たちが、愛猫に与えるキャットフードを「知り」「選ぶ」ことでこれらの病気を減らすことができると考えてるよ
当サイト【キャトフード自習室】では、「愛猫と1日でも長く一緒にいられるために」をテーマに、ペット栄養管理士の筆者がキャットフードの選び方を中心に記事にしています。
そんなサイトの性質上多くのキャトフードを紹介しているので、読んで頂いた方に分かりやすいように、評価基準を明確にすることにしました。
筆者が紹介している総合栄養食のドライフードに「総合評価」として点数がついているものは、この記事の基準に基づいています。
この記事を一通り理解しておくと、キャットフードを選ぶ際の基準がわかり、自分の力で愛猫のための良質なキャットフードを選び出すことができるようになります。
評価基準のポイントは、「品質面」で5つ、「その他」で2つで以下の通りです。
- 第一主原料が動物性タンパク質か
- あいまいな表現の原材料表示の有無
- 合成酸化防止剤・合成着色料・香料などの使用の有無
- タンパク質量
- 糖質量
- 1㎏あたりの価格
- 利便性(購入方法)
「品質面」と「その他」のポイントを別々に見ていくことで、自分なりにバランスのいいキャットフードを見極めることができるようになります。
ただしこの基準は、筆者がキャットフード選びにポイントとして考えているものであり、これにより健康を保証するものではないことをご承知おきください。
>【おすすめキャットフード】を知りたい方はこちら↓↓↓
「総合栄養食」の選び方はこちら↓↓↓
>キャットフード選びに必須!【種類とプレミアムフード】を初心者に分かりやすく解説
>キャットフード(総合栄養食)の選び方5ステップを知ろう!【健康でずっと一緒のためにできること】
キャットフード評価基準のポイントと点数
この記事の評価基準と点数は以下が前提条件となっています。
- 「総合栄養食」のドライフードの基準
- 「品質面」の5つのポイントで合計10点満点、「価格・利便性」の2つのポイントで合計3点満点として「10+3」のように表示
それぞれの評価基準と点数配分は以下の通りです。
【品質面の加点】
品質面の加点 | 点数 |
---|---|
第一主原料が動物性タンパク質か | 動物性タンパク質:2点 動物性タンパク質でない:0点 |
あいまいな表現の原材料表示の有無 | 無し:2点 あり:0点 |
合成酸化防止剤・合成着色料・香料などの使用の有無 | 無し:2点 あり:0点 |
タンパク質量 | 30%以上:1 30%未満:0点 |
糖質量 | 30%未満:3点 30%以上〜40%未満:2点 40%以上:0点 |
合計 | 10点満点 |
【その他の加点】
その他の加点 | 点数 |
---|---|
価格(1㎏あたり) | 1000円未満:0点 1000円以上3000円未満:2点 3000円以上:1点 |
利便性(購入方法) | 比較的一般的なスーパー・ホームセンターなどで購入できる:1点 取り扱い店舗が限られる・ネットや公式ページでしか購入できない:0点 |
合計 | 3点満点 |
「品質面」の点数と、「価格、利便性」の点数を別枠にしたのは、異なる性質の点数が一緒になってしまい、本当の価値が分からなくなってしまうことを防ぐためです。
みなさんは「品質面」と「価格・利便性」のバランスをを比較して「コスパがいい」「コスパが悪い」と感じるよね
この記事は、その判断基準の1つを提案しています。
是非みなさん自身で、「品質」と「価格・利便性」をみて愛猫と自身にとって良いフードのバランスを知りましょう。
>この基準で高得点を取得している当サイト【おすすめのキャットフード】はこちら↓↓↓
キャットフード品質基準5ポイント(10点満点)
「品質面」の評価基準5ポイントをそれぞれ詳しく解説していきます。
- 第一主原料が動物性タンパク質か
- あいまいな表現の原材料表示の有無
- 合成酸化防止剤・合成着色料・香料などの使用の有無
- タンパク質量
- 糖質量
主原料が動物性タンパク質か
第一主原料が動物性タンパク質:2点
第一主原料が動物性タンパク質でない:0点
キャットフードのパッケージには原材料を記載するという規約があります。(>ペットフードの表示に関する公正競争規約)
原材料は、多く配合されているものから順番に表示されています。
「タンパク質」は血液・筋肉・皮膚・被毛・免疫系などをつくるもとになり、猫の健康にに欠かせない重要な栄養素です。
猫は本来肉食動物のため「動物性のタンパク質」を消化しやすい体。
「動物性タンパク質」には必要な必須アミノ酸も豊富に含むため、栄養面でも多く必要としています。
「肉」「魚」「肉+魚」を第一主原料とし、できるだけ具体的に記載されているフードが好ましいです。
一方「植物性タンパク質」は、肉食で腸が短い猫にとって消化しにくいため、あまり好ましくありません。
あいまいな表現の原材料表示の有無
あいまいな表示がない:2点
あいまいな表示:0点
ミールを使用:0点
原材料に以下の表示がある場合2点加点しています。
- あいまいな表示がない
- 「○○肉」などの具体的な表示がある
- 「%表示」がある
- 「新鮮な○○」などど表示
これらの表示はキャットフードメーカーが、自社と他のキャットフードメーカーとの品質の差別化を図るために自信をもって表示しているものです。
「あいまいな表示=粗悪」とは限りませんが、「あいまいな表示がない=品質がよい」と判断しました。
一方以下の表示のように原材料があいまいな場合0点といしています。
- 肉類
- ミール・肉粉
- 肉副産物・バイプロダクツ
- 動物性油脂
- ビートパルプ
- ○○類・○○等
全体的にぼんやりとした表示ばかりのキャットフードは、はっきりと原材料を特定できないものを使用していると考えてしまいます。
よくパッケージの表示を確認しましょう。
「ミール」は比較的安価で高タンパクを実現できるので、品質の良いものであれば完全に否定するものではないと考えているよ
ただし安すぎるフードで曖昧な表現で「ミール」が使用されている場合は、おすすめできません。
信頼できるキャットフードなのか、不安であればメーカーに問い合わせ、「何のどんな部位のミールなのか?」聞いてみて、納得したら愛猫に与えることをおすすめします。
「ミール」についての詳細記事はこちら↓↓↓
>キャットフードの「ミール」ってなに?危険性とフードえらびの注意点を初心者に分かりやすく解説
【バイプロダクツ】
主に肉や魚の加工過程で生じる副産物のこと。
具体的には、内臓、骨、血液、皮膚など、人間の食用には適さない部分が含まれます。
これらは栄養価が低く、消化吸収が難しい成分が多いため減点。
【ビートパルプ】
砂糖大根(テンサイ)から砂糖を抽出した後に残る植物性繊維質のこと。
猫にとってビートパルプが良くないとされる理由は、消化不良、栄養素の妨げ、過剰摂取による便秘・下痢などを引き起こすことがあるため減点。
合成酸化防止剤・着色料・香料などの使用の有無
合成酸化防止剤・着色料・香料不使用:2点
合成酸化防止剤・着色料・香料使用:0点
酸化防止剤
酸化防止剤は主にドライフードの脂質が酸化することを防ぎ、保存性をよくするために使用されます。
以下の合成酸化防止剤が使用されている場合には0点としています。
- BHT(ジブチルヒドロキシトルエン)
- BHA(ブチルヒドロキシアニソール)
- エトキシキン
- エリソルビン酸ナトリウム
- 食子酸プロピル
キャトフードは『愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律(ペットフード安全法)』の定めに従ってつくられています。
これらの原材料ももちろん認められているものであり、日本での配合量はBHT・BHA・エトキシキンの有効成分の合計量で150mg/kg以下と定められています。
さらに「毎日一生涯食べたとしても健康に影響がない」量(ADI)が定められているため、使用されていたからといって、すぐに健康被害が起こるというわけではありません。
しかし天然由来の酸化防止剤もあるので、こちらを使用しているフードを選ぶことをおすすめします。
- ミックストコフェロール
- ローズマリー抽出物
- 緑茶抽出物
着色料・発色剤
視力が弱く嗅覚が優れていて、風味で食べる猫にとって合成着色料・発色剤は全く意味のないものです。
着色系の添加物の使用は、以下の理由からだよ
①人にとって美味しそうに見せるため
②生産ロットによって原材料の色のバラつきを失くすため
開封していつもと違う色のキャットフードだったら、不安になってしまうかもしれません。
その点では一定の理解はできますが、やっぱり愛猫の健康を考えたら無用な合成添加物はない方がいいです。
着色系の合成添加物が配合されていたら0点にしています。
- 合成着色料(赤色○号、黄色○号など)
- 発色剤(亜硝酸ナトリウム、硝酸カリウムなど)
- 合成香料(グリシリジン・アンモニエートなど)
タンパク質量
タンパク質量30%以上:1点
肉食である猫は食事の質にかかわらず、積極的にタンパク質が分解される体の構造になっています。
そのため体内でタンパク質不足が起こりやすく、雑食の犬や人よりも多くの動物性タンパク質を必要としています。
そのため【AAFCO】の栄養基準ではタンパク質量を子猫で30%以上、成猫で26%以上と定めています。
AAFCO(Association of American Feed Control Official:米国飼料検査官協会)
ペットフードの栄養基準やラベル表示のルールなどに関する基準を決めているアメリカの非営利団体
この栄養基準がグローバルスタンダードで日本のペットフードのほとんどがAAFCOの栄養基準を採用
【パッケージ表示例】
そのため極端に少ないフードはないと思いますが、キャットフード選びで大切なポイントなので、30%以上で1点加点しています。
【「AAFCO」の注意】
「AAFCO」の栄養基準はペットフードメーカーに向けたものであって、この基準を満たしているからといって「AAFCO認定」のフードであるわけではありません。
また栄養基準を満たしていても原材料の品質までも保障するものではないことを頭に入れて、他のポイントと総合的に判断しましょう。
「AAFCO」の栄養基準について詳しく知りたい方はこちらの記事のなかで紹介しています↓↓↓
糖質量:3点
糖質量30%未満:3点
糖質量30%以上〜40%未満:2点
40%以上:0点
猫は糖質を消化するアミラーゼの分泌が弱いため、糖質をエネルギー源にする能力が低くく、消化不良による下痢・嘔吐 穀物アレルギー 糖質過剰での肥満の原因になる場合があります。
糖質量についての明確な規定はありませんが、40%以下であれば消化できると言われています。
糖質量はパッケージに表示義務がありません。
糖質が多いフードでは、成分の約半分も糖質のものもあるのに、表示義務がないのは疑問ですが(^_^;)
とにかくないものは仕方ありません。
だいたいの糖質量なら簡単に計算できるので、やってみましょう!
パッケージの【成分】の部分を見て下さい。
%表示になっているので、100% からタンパク質、脂質、繊維、灰分、水分を引くとおおよその糖質量が出ます。
ちなみに「灰分」とは、猫の体に必要なミネラルの総称です。
ミネラルはカルシウムやリン、マグネシウムなどの無機質や鉱物で、骨や歯の構成や神経伝達などに関わっています。
式にすると‥
糖質=100ータンパク質ー脂質ー繊維ー灰分ー水分
【パッケージ成分表示例】
上の例で具体的に計算すると……
100%ー28.5%ー17%ー2.5%ー7%ー8%=37%
糖質量37%なので2点の加点ということになります。
そもそも糖質とは、穀物(米小麦大麦トウモロコシなど)豆類、イモ類などのことです。
よく聞く「グレインフリー」のキャットフードは「穀物」が入っていないもののことをいいます。
【グレインフリーフードの誤解】
「グレインフリー」=「糖質0%」という意味ではないということです。
先述の通り、豆類、イモ類も糖質ですので、「グレインフリー」のキャットフードでも糖質量が高いものはあるので注意!
その他の加点(3点満点)
キャットフードの「品質面」とは別で「価格・利便性」から評価して加点しています。
「品質面」と「価格・利便性」のバランスをみて個々で判断してください。
価格:2点
1kgあたり……
1000円未満:0点
1000円以上3000円未満:2点
3000円以上:1点
こちらのサイトでは、価格を比較しやすくするためにドライフードは1kgあたりの価格で表示しています。実際の価格とは異なりますのでご注意ください。
※単品購入時の価格で計算しています。
(実際の購入金額を紹介している時はこの限りではありません)
高いと良いフード、安いと悪いフードとはひとくくりにできませんが、安すぎるフードはそれなりの理由があったりするので、避けることをお勧めします。
どれだけキャットフードにお金をかけられるかはご家庭によって異なると思います。
また、一頭飼いか多頭飼いかでも違いますよね。
利便性(購入方法):1点
比較的一般的なスーパー・ホームセンターなどで購入できる:1点
取り扱い店舗が限られる・ネットや公式ページでしか購入できない:0点
キャットフードの取り扱い店舗は、地域性や店舗の個性があります。
一概にはいえませんが、比較的どこでも手に入りやすいと思われるものは1点、取り扱いが限られていたり、ネット販売のみと思われるものは0点としています。
これはどちらに利便性を感じるかは、人それぞれですが、筆者独自のアンケートでは「ネット以外でも購入できると安心」という声もあったのでこのような配点にしました。
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